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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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そして、裏切りの夜が始まる ( いとう由貴)

いとう 由貴さんは、あたしにとって安心してw?泣ける作家さんであります

一読した時は・・

あんまりいつもとイメージが違うので、驚きました

いとうさんなんかリニューアル決心したのですかと

別の意味で泣きたい気分でした・・・

でも、いったん熟成させて、

放置のあと余裕とゆとりと読む側の気分がかわればまた違うんですよね

実はこういうことよくあります(笑)





そして、裏切りの夜が始まる (SHY NOVELS 204) (新書)
いとう 由貴 (著)
佐々木 久美子 (イラスト)

(内容)

千坂翔はたったひとりの家族である弟・俊樹を病院に見舞った帰りに、あるニュースを耳にする。
資産家として知られる幣原家のひとり息子が、交通事故で亡くなったというものだ。
幣原家の当主は俊樹の実の父親だ。
自分と俊樹はよく似ている・・・
弟を守るためにはこの方法しかない。そう思った翔は俊樹のふりをして幣原家を訪ねるのだが、
そこで運命を狂わせる男と出会い!?


ある意味、いとうさん得意の一途な子供であるとおもいます

弟の入院の費用をまかなうために、弟の命をまもるためにわが身を犠牲にして

弟になり変って息子のふりをしてそのお金を得ようとがんばります

 

その気持ちを逆手に取られ、実の父の腹違いの弟でもある信威に利用され

体を蹂躙されてしまいます

ここまでひどいことをしている男なんですが、なんか愛を感じるのです

お互いに正妻から生まれた存在でないということ

実の父親に愛されなかったということ

才気がなければおそらく飼殺しにされていただろうという

共通の哀しみを知っている者同士の共感でも言うのでしょうね




でも受け君はおかーさんに十分に愛されていたし

弟とも家族というものを十分に形作っていたので

精神的には翔くんのが母親に近いような感じで信威を守っていく感じです


弟を思うあまりに、弟と母の夢を見て不安になった翔が病院に行って

弟を見舞い、愛を持っていることにやきもちを妬いて事をいたしちゃうんですが

まぁそれも、愛を知らなかった子供だからと故と赦しちゃいましょう(笑)




次第に二人でなんか生活というもか、家族に形作っていきます

人に愛されるということ、

愛するということが本当に大事と思わされる一作でした



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春暁 ( いとう由貴)

もともと同人誌で出たものを、大幅に書き足して本になったものらしいですが

何となく設定が・・・薄いです(笑)

10歳で奉公に出されたということあたりはまぁそうでしょう

それをいきなり、その家の跡取りの秋信に強姦され、妾奉公に・・・

鎖につながれ監禁凌辱・・

果ては秋信の弟と楽しく会話してしたからと青姦・羞恥プレイに

まぁそれも、大正ロマン・・・・(違


せつなさと不幸が似合うのがいとうさんの得意だと思ってますし

たしかに、不幸と切なさがテンコ盛りです

でも、何となく物足りなさは・・・

愛しいと思えるほどの出会いのエピソードがいまいち弱いということだとおもいます

体は汚されて、ただ生きているだけの生をぼんやりと過ごしていた 深です

そのときに兄の家に遊びに来ていた秋信の弟と出会い

心救われるという設定なのですが、

そこでどうして、

そこまで秋信の弟隆信に心ひかれたかというあたりの説得力が

弱いかなという感じでした

再会して隆信のもとに引き取られてからもさんざんなめにあわされるのに

一向に運命に逆らおうとしない 深ですし

小さな頃から自我というものを確立できずに、秋信にめちゃくちゃにされたという設定だから余計かもしれませんが

そこらあたりのエピソードがもっとあったら

隆信への思いを胸に秘めながら、ただ運命に流されていく深を堪能できたのになーと

勝手な読者はそうおもうで







春暁 (CROSS NOVELS) (単行本)
いとう 由貴 (著)
あさとえいり(イラスト)

(内容)

ひらひらと降り積もる、恋の欠片 -かけら-

十歳になった日、広瀬家跡取り・秋信の愛人として囲われた深。鎖に繋がれ監禁陵辱される日々に少しずつ壊れてゆく深を支えていたのは、秋信の弟・隆信との優しい思い出だけだった。だが十六年後、隆信は逞しく成長して現れた――肉欲に溺れ母を死に追いやった兄と、深に復讐する為に。彼は兄から深を奪い、夜ごと憎しみをぶつけるように蹂躙した。身体は手酷く抱かれながらも、深の心は少年だった頃の隆信の記憶に縋ってしまい……。

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復讐はため息の調べ( いとう由貴)

刹那さシリーズと言うわけではないのですが

お勧めいとうさんの本シリーズと言うことで(笑)

戦時中からお話は始まるのです

上司の命令により人命よりも軍部の書類を保持しなければいけなかった主人公道彦ですが

戦争が終わり、家に帰ると病気の妹が待っていました

そのときに妹の命を助けようと縋った相手は、戦時中に見殺しにしようとした成島でした

成島にとって復讐のチャンスでしかなかく

道彦から男としての矜持を奪い復讐を遂げようとしますが


ある数奇な運命が彼らを残酷に玩んでいくのです

頑なに体だけと道彦は心開かないことで

成島はなにか腑に落ちないというか、復讐の喜びを味わえません

道彦も体を自由にさせ、それで贖うつもりでいたのですが

何かすっきりしないまま日常の生活を積み重ねていきます


やがて妹の死により彼らのバランスは崩れていきます

妹の葬儀がすんだことで、もう誰に頼ることもなくただ成島の復讐の気持ちを救うために

自らも人生と生きることの重荷を捨てるために自ら命を絶とうと決心した道彦ですが

憎むべきは戦争という存在だったことに気がついた成島は道彦憎む気持ちはもはやなく、道彦をを解放しようとします

そして知った事実はなおも過酷なもので・・・

道彦は実はあの戦時中に見殺しにした仲間の弟だったのです

兄すらも見捨てた自分

妹を助けることもできなかった自分

何もかも自分が悪いのだからそれを贖いたいと思っていたのに

成島が自分を許してしまったら死をもって贖うこともできないのです・・



山田ユギさんの挿絵がこの内容をさらに高めてくれますー



これも本当に切ないお話でした

せつなさに萌えるかたにどうぞー(笑)









復讐はため息の調べ (SHYノベルス) (新書)
いとう 由貴 (著)
山田 ユギ (イラスト)


(本の内容)

俺が与える屈辱は、痛みではなく快楽だ―戦争中、大尉であった道彦は軍上層部の命令により人命よりも機密保持を優先し、味方である男達を見殺しにするという苦い記憶があった。それから数年。病の妹を抱えた道彦は、かつて見殺しにした男のひとり、成島の手に落ち、身体を売ることになる。身体は好きにさせてやるが、心までは屈すると思うな。誇り高い道彦であったが、道彦が強がれば強がるほど成島には都合がよかった。負けまいとする矜持の高さは、そのまま折れたときの脆さに繋がるからだ。だが、次第にふたりは復習という名の甘い檻にとらわれてゆき…。

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月に濡れる密約( いとう由貴)

リブレ B-PRINCE文庫創刊ということで、木原さんのあの有名な「お犬さま小説」も購入したのですが

というか、そっちが大本命でしたが

一人前のコノハラーとなるにはアタシはマダマダのようです・・・

平たく言えば挫折して積読本として横においてありますー

これは、はっきりいって心と仕事と家庭にゆとりを持たなきゃ読んじゃダメという気がするんですー

単なる小心者のたわごとかも知れませんが(笑)

と言うことで、同じシリーズの中から比較的甘甘で、楽しく切なさを感じるために今日はこれで(笑)







月に濡れる密約
(B-PRINCE文庫 い 1-1) (文庫)
いとう 由貴 (著)
杉原チャコ(イラスト)



(本の内容)12年前、日本から無理やり香港に連れてこられた朋之は、その名をアレクシスと改められ、 強大な権力を有する一族に、籠の鳥のように飼われる日々を強いられていた。
やがてはその身体を一族の長に奪われる運命だったアレクシスの前に、 ある日ジェイルと名乗る男が現れる。
恋という名の魔法でアレクシスの心を蕩かし、 その身体に快楽を教え込むジェイル──アレクシスは知らなかった。
二人の間には、大きな「秘密」がある事を…。


 母の密かな希望により生れ落ちてから取り替えられ日本で育てられた少年朋之は無理やり家族と引き離され生家に引き取られていく

そこは巨大な権力を守るために巫女を有し、人間の運命すら思うように操ってもなんとも思わない巨大な企業であり一族に飼われて不満や不安を覚えながらも何もできずにいた

そんなときにジェイルと出会い運命の変え方と恋をしり
清い体をジェイルのために捧げるのでした・・・

ジェイルの策略ともしらないまま・・

セックスをしることで、巫女としての力を失ったアレクシスは一家の長の命により男娼宿に売られ身を落としていくのです

実はジェイルは朋之の取替え子であるということで、一族から追い払われ
一族とアレクシスに対してうらみの気持ちをもっていて、不幸のどん底に落としたいと言う気持ちがあったんです



世間を知らずに育ったアレクシスはジェイルを恨むこともなく
ただ、自らの運命を甘受しておりましたが
とうとうジェイルが復讐を果たしたこと知り、何もしなかったからこういううとこで過ごさなきゃいけないんだと諦念しておりました

或る日客との会話でジェイルになにか危機が訪れるんじゃないかと言う不安に襲われた(もう巫女ではないので予知と言うものはできないので)
アレクシスはジェイルを助けるために爆弾を捨てに行こうとしたり
一族の長に狙われたジェイルを庇って撃たれます


ううぅっぅうっ

本当に切ない恋心で啼かされました

ジェイルには自分はもう必要でないし

そばにいれば邪魔になるから、自らの片付けは自分でと心に決めて

頑なまでにジェイルのもとを去っていこうとするアレクシスが悲しいです

切なさを充分に堪能なさりたい方いかがでしょうかw?




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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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