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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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復讐はため息の調べ( いとう由貴)

刹那さシリーズと言うわけではないのですが

お勧めいとうさんの本シリーズと言うことで(笑)

戦時中からお話は始まるのです

上司の命令により人命よりも軍部の書類を保持しなければいけなかった主人公道彦ですが

戦争が終わり、家に帰ると病気の妹が待っていました

そのときに妹の命を助けようと縋った相手は、戦時中に見殺しにしようとした成島でした

成島にとって復讐のチャンスでしかなかく

道彦から男としての矜持を奪い復讐を遂げようとしますが


ある数奇な運命が彼らを残酷に玩んでいくのです

頑なに体だけと道彦は心開かないことで

成島はなにか腑に落ちないというか、復讐の喜びを味わえません

道彦も体を自由にさせ、それで贖うつもりでいたのですが

何かすっきりしないまま日常の生活を積み重ねていきます


やがて妹の死により彼らのバランスは崩れていきます

妹の葬儀がすんだことで、もう誰に頼ることもなくただ成島の復讐の気持ちを救うために

自らも人生と生きることの重荷を捨てるために自ら命を絶とうと決心した道彦ですが

憎むべきは戦争という存在だったことに気がついた成島は道彦憎む気持ちはもはやなく、道彦をを解放しようとします

そして知った事実はなおも過酷なもので・・・

道彦は実はあの戦時中に見殺しにした仲間の弟だったのです

兄すらも見捨てた自分

妹を助けることもできなかった自分

何もかも自分が悪いのだからそれを贖いたいと思っていたのに

成島が自分を許してしまったら死をもって贖うこともできないのです・・



山田ユギさんの挿絵がこの内容をさらに高めてくれますー



これも本当に切ないお話でした

せつなさに萌えるかたにどうぞー(笑)









復讐はため息の調べ (SHYノベルス) (新書)
いとう 由貴 (著)
山田 ユギ (イラスト)


(本の内容)

俺が与える屈辱は、痛みではなく快楽だ―戦争中、大尉であった道彦は軍上層部の命令により人命よりも機密保持を優先し、味方である男達を見殺しにするという苦い記憶があった。それから数年。病の妹を抱えた道彦は、かつて見殺しにした男のひとり、成島の手に落ち、身体を売ることになる。身体は好きにさせてやるが、心までは屈すると思うな。誇り高い道彦であったが、道彦が強がれば強がるほど成島には都合がよかった。負けまいとする矜持の高さは、そのまま折れたときの脆さに繋がるからだ。だが、次第にふたりは復習という名の甘い檻にとらわれてゆき…。

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「風と木の歌」に触発され
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