忘れないでいてくれ (リンクスロマンス) (単行本)
夜光 花 (著)
朝南 かつみ (イラスト)
(内容)
他人の記憶を覗き、消す能力を持つ清廉な美貌の守屋清涼。見た目に反して豪放磊落な性格の清涼は、その能力を活かして生計を立てていた。そんなある日、ヤクザのような目つきの鋭い秦野という刑事が突然現れる。清涼は重要な事件を目撃した女性の記憶を消したと詰られ脅されるが、仕返しに秦野の記憶を覗き、彼のトラウマを指摘してしまう。しかし、逆に激昂した秦野は、清涼を無理矢理押し倒し、蹂躙してきて―。
夜光さんお得意の上質のミステリー小説に
体から始まる不器用な恋愛とエロが濃厚に絡まっていて
楽しく読み進めることができました。
両親を殺されたショックにより触れることで他人の記憶をのぞき見ることが
できるようになった清涼
父親に性的な暴行を受け心に非常に大きな傷をもった刑事秦野
心に深い傷跡を持つゆえにふたりはふたりなりに精いっぱい生きているのですが
その生き方はなんとなくアンバランスなものだと感じる生き方です。
両親を殺害した犯人が見つからなかった心の憤り・痛みを
同じように事件によって傷みを受けた人たちの記憶を消すことで生計を立てる清涼
理不尽な性的暴力を実の父親から受けた疵を忘れるために
社会的な正義のために働く秦野
ある事件がきっかけでふたりは出会い
清涼は苛立ちを感じ秦野の記憶をさぐりトラウマを暴いてしまう
混乱し怒りを感じた秦野は暴力で清涼を蹂躙してしまい・・・
その後でもなぜか清涼は秦野を受け入れちゃって
なぜか定期的に会い、しっかり肉体までも秦野の思いどうりに開発されちゃって(笑)
見た目の割に大雑把な清涼は気持ちがいいからまぁいいか程度の気持ちでしたが
体と同じようにいつのまにか心まで秦野に魅かれていくのです。
そしてサスペンス劇場のように事件も解決していき
すべてがまぁまぁ丸く収まって
新しいパートーナーとして生きていくふたりとなっていくのです
事件の解決の工程もぐんぐんと読ませていただけて
推理小説とかサスペンス物はまず後ろから読んでいくあたしでも
十分に楽しめるつくりになっています。
ひさびさに夜光花さんらしい小説を読めて満足です。
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