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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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人でなしの恋 (かわい 有美子)

人でなしの恋 (リンクスロマンス) (単行本)
かわい 有美子 (著)
金 ひかる (イラスト)



(あらすじ)

青山の同潤会アパートに居を構える仁科千尋は、伝奇小説や幻想小説などを主軸とした恋愛小説を書き、生計を立てていた。独特の色香を持つ仁科は、第一高等学校時代に仲の良かった友人二人に、異なる愛情を抱いている。無垢な黒木には庇護欲と愛おしみ、そして懐深く穏やかな花房にはせつない恋慕と情欲を。しかし、仁科は黒木に内緒で、花房とひそやかな逢瀬を重ねていた。そんなある日、花房とじゃれあう現場を彼に見られてしまい―。




三者三様の想いに彩られた昭和の初期の恋物語でした。

以前雑誌リンクス

「逢引の夜」として掲載された部分が内容も改稿されて載っております。

後半の「こごり繭」が追加されて

一冊の「人でなしの恋」となっておりまする~。

雑誌掲載部分だけでは理解不能というか、物足りない感満載でしたが

今回はそういった三人の思いの行きつくところ+

仁科の自分に対して持っている劣等感の原点が心霊ホラー部分として

追加されて、ちょっと読みやすくなっていると思います。



「向陵の二喬」などと呼ばれるほど美しかった仁科


仁科が心の底で想う男は二人いて

心の底から甘えることができて、体も任せられる男花房

剣道が好きで、その姿勢とともにまっすぐに生きていく男花房に抱かれながら

医者としてまっとうに生きている花房を

自分と同じ闇に落とし込んだことに恐怖している。


もう一人の男は黒木

仁科と同じく「向陵の二喬」と呼ばれ柔らかな印象を見せながらも

心の底は情に強く、かたくななまでに男らしい一面を持っている。

色覚異常を持つことと、仁科より伸びなかった身長に劣等感を持ち

若きころに父を失い

家長として、検事として、兄として、自分としてまっとうに生きている。

そのまっとうさや、劣等感に

柔らかな自分を差し出せることに癒されるのだった。


仁科的には 黒木に心の底で魅かれながら

体も心も癒し、甘えさせてくれる存在である花房をいとおしんでいる。

そして、そういう自分にまた嫌悪を感じ

眩しくて見えない闇の底に堕ちていくような思いを味わっているのだけれど

花房は、実は黒木が心の底では仁科に魅かれているのを知っているが

仁科を奪われたくはない黒い想いを持っているので

けっしてそのことで黒木に注進しようとはしていないのです。

黒木もまた、深層意識化では仁科の独特の魅力にひかれていて

仁科が求めている花房という男を自分の妹と結婚させて

邪魔者を排除しようとしていたんですよね。

恋って

恋ってこわい~(笑)

などとしみじみ思いながら心の底で聞こえていた曲は

ジュデイオングさんの「魅せられて」という曲です。→年齢がばればれ(笑)



女の心も体も海のようなもの

好きな男の腕の中で抱かれながらも

違う男の夢をみちゃうもんなんです(笑)





ついでに・・デーモン閣下版も(笑)














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無題

イ、イメージソングが!(笑)

Lianhaさん、こんにちは♪
私もイラストには一言物申してしまうたちなのですが、どうも金さん画と相性が悪くこの作品も手に取ったものの購入をやめてしまっていました。
でも Lianhaさんのご紹介下さったイメソン(←決めつけ)でガゼン興味が湧いてきました。私もエーゲ海からの風に吹かれてみたいです(笑)
読みましたらまた感想つぶやきに参ります~♪

イメソンの女王をみならって(笑)

こんにちはー
イメソンの女王のmiru-haさんには物足りない感想なのではないかとぶるぶるなんですけど~(笑)

最近このブログではあたしのようなパソコン音痴さんでも自由に?使いこなせれる様に日々改革されているようです>YouTubeの貼り付けとか

あたしてきには金さんのイラストは好きなのですけど
『向陵の二喬』と謳われたほどの美貌は今一歩感じなかったのです。
ちょっと残念ですけどね。

あんがい彩さんのような重厚で耽美な絵のほうがイメージにあったんではないかと・・・

miru-haさんの的確な分析力で描かれる感想&つぶやき楽しみにしてますね♪

こんばんは~。

そうなんだ・・・・。
小説リンクスで「逢引の夜」読みましたよ。
中途半端なエンディングで、でも取りあえずハッピーエンドか・・・と
勝手に納得させていたんですよ。
うっは~、続きがあるんですね(^^;)
でも、金さんのイラストは雄々しく感じてしまって
エーゲ海が嵐になったら買うかも知れません~☆

凪の海のようです(笑)

こんばんはー

>中途半端なエンディングで、でも取りあえずハッピーエンドか・・・と
今回は全体を通してそういう感じのままです。

凪の海の中で起こる小さな渦巻をみんなでひそやかに見守っている感じで終わってしまったので、
嵐の海をもとめるなら・・
水壬さんの鬼畜などエスに翻弄されるあのお話がいいような気がします♪

すでにさなえさんなら読まれているのではと推理しちゃっているんですけどね♡

エス

こんばんは~。
もう、だいぶ昔に読んだような・・・・(笑)
確か3~4冊、シリーズで出てましたよね。
実は、最初の巻しか読んでないのです。
ハードボイルド張りでBLえっち場面が無ければ普通に小説として
いけるんじゃないか・・・と思いましたね。
シリーズの他の作品も読みたいような気もしてますが、いつになることやら(^^;)


すみません・・

あたしが変換ミス&タイトルの書き忘れをしておりました・・・・

>水壬さんの鬼畜などエスに翻弄される
訂正 水壬さんの鬼畜なドエスの篠宮に翻弄される高森のあのお話
    「ルール」がいいような

でした・・・

わかりにくい書き方ですいません。

こんなアホなあたしに愛のレスありがとうございました(笑)

ルール

「ド」が抜けてたんですね・・・・ふふッ。

それに「エス」は英田さんですもんね。
英田さんの「恋ひめやも」は好きですね~。

「ルール」は勿論です^^
敬語攻め、ナイスです。
こちらはノベルスを読まれましたか??(私はまだなのですが)
やはり、雑誌掲載にものに加筆されているのでしょうか・・・?
それはそれで、楽しみなのですが。

おっと!!
かわいさんの作品のレビューに
違う作家さんの話題を書き込んでしまいました・・・・・。
さらに違う方向に飛んでしまう前に
失礼しますね(苦笑)

読まれていたんですね♪

「ルール」は雑誌掲載分にもう一作とSSが一本掲載されています
SSがね(笑)
うふふふふっと笑える楽しい作品でした。
水壬さん長編を書かせても、SSでもうまいなというか
見せどころこらえているので、お勧めの一作です。

>さらに違う方向に飛んでしまう前に
ここはあたしの好きな世界なのでなんでもありでお願いいたしますねw
コメントありがとうございました!

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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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