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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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花盛りの庭 (2)(坂井 久仁江(国枝彩香))

愛憎の過去の傷を捨て去り、安らぎと心の平和を得るためには

神の恩寵を受けて永遠の眠りにつくわけしかなく。

生きることしかできない人間には、

傷を自分で舐めて癒すか、他人にまかせきるか・・・

それとも、なかったことにして忘れたふりをして共犯となってともに

生きていく相方を選んで生活の中に押し流していくかしかないのでしょうか?



 過去の傷の痛みが時々フラッシュバックしてくる雅樹ですが

ダイゴローとともに春香を育てていくことにより、癒される思いと

傷をえぐられる痛みを与えられるわけです

それは、大人だからと言って簡単に辛抱できるものでもなく

むしろ、大人だからこそ痛みに身構えてしまうものなんではないでしょうか?

春香はそうした大人たちの思惑の型に入りきることはなく

自由にいい子に育っていき、他人の痛みを思いやることができる大人に育っていきます

そして、雅樹もそういう晴香に心癒され、過去にあったことを静かに受容していき

晴香のために帰りをまつ家であろうという決心をつけるのです

晴香の成長物語であるとともに、

雅樹の心の癒しと安息を得るための物語であったとおもいます。


個人的には、ゲイであるからと妙に達観した感じの、ハゲで髭でマッチョなダイゴローが萌えー(笑)










花盛りの庭 2 (2) (HMB S 5-2) (文庫)
坂井 久仁江 (著)

(内容)
橘春佳は、幼いころに母親を亡くし、父の雅樹と、居候の大男・ダイゴローと3人で暮らしていた。ある日、父親が隠していたビデオを見て、両親が本当に愛し合っていたか悩み出した春佳は…濃密な愛と憎しみを分かち合った一家が最後にたどり着くのは…?


オヤジの肩にある
火傷と、7年間閉ざされた部屋・・・
あたしのうちには、
謎が多すぎる


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花盛りの庭 (1)(坂井 久仁江(国枝彩香))

国枝さんの過去の作品と言うことで以前から興味はあったんですが

オクでもけっこうなお値段だったようなので、購入を躊躇しておりました

今回文庫版ででるということで、狂気乱舞w?しながら購入させていただいたのですが

初出は「young you」で1993年ですか・・・

近親相姦と、父子相姦と親子心中とゲイ同居と・・・・

なんというかありとあらゆる淫靡なものが転がっていました(笑)

でも、国枝さんんの原点はここかなという感慨にも浸れました



「いつも夢のなかで
 見ていた
 あの庭は、
 静かで美しく、
 そして
 禁断
 の愛を隠していた。」


祖父と父と息子が三代にわたって愛と憎しみを繰り広げていくのです

それがまたどろどろして、ある意味怨念に近いものを感じるんです

じじさまが少女に出会い恋をした瞬間から始まっていくのですが

娘さんの年齢と自分が離れているからとか、

社会的な配慮とか、

そういうものを考えて自分の息子の嫁にと話を進めていくことで不幸が積んでいきます

じじさまは息子の妻となった少女への思いを断ち切れず

少女は夫の優しさを知りながら愛することはできず

息子は少女の愛を得たくてから周りしてしまい

愛と憎しみのタペストリーを折り広げていき、少女の産んだ子供までもが

禁断の愛に捕らわれていくのです

人の心ってそう強いものでもないし、

間違いを起こすことは当たり前なのだけど

人を愛するときはただまっすぐに愛さなければいけないというある小説の一文を思い出しました

まっすぐに思いを貫けなかったことゆえに喜劇のような悲劇でカラ回っていく人の心を誰も責める事はできないのだけど・・・







花盛りの庭 1 (1) (HMB S 5-1) (文庫)
坂井 久仁江 (著)

(内容)

父との息詰まるような生活から逃れるために家出した橘雅樹は、祖父の家に押しかけて暮らすことにした。夢で見たままの広い庭、祖父と用心棒の原田、そして勝ち気で美しい少女が暮らす古い屋敷…ここから、ミステリアスな愛憎劇の幕が開く!






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未来の記憶風の行方(国枝 彩香)

以前ビーボーイコミックスとして出されていた『未来の記憶』と『風の行方』という2冊の本でしたが

今回それを一冊にまとめて書き下ろしつきで発売されています

内容的には変わりがなくて・・・

書下ろしが数枚・・・

しかも風の噂に寄れば爺いー達の愛・・・

これは・・・

やっぱり買わなきゃ(笑)



連載が進むとともにデフォルメが進んで、ギャグ画になっていったなーという記憶はありました

でも、あの60年後のじじい夫夫の会話は最高です(笑)





未来の記憶風の行方 (ビーボーイコミックスDX) (コミック)
国枝 彩香 (著)

(内容)

恋人へのプロポーズに失敗したカタブツ教師の健人。ヤケ酒をかっくらい、見知らぬ美人(でも男)に尋常じゃない色気で誘惑され、すっごい一夜vを過ごしてしまう。
しかし翌日、同僚教師として再会したソイツは、トンデモなツンデレ・・・?
「こんなに感じやすいお前が、心だけ鈍いわけないんだ」
ケンカばっかで素直じゃなくて、バカな俺たちだけど、互いの秘密も痛みも怒りも笑顔も、全部受け止める「夫婦」の未来予想図がおまえとなら見えるんだ・・・・・・
BLの楽しさも奥深さも教えてくれる人気の名作、描き下ろし付豪華本★

「俺の生涯の伴侶だ   そう確信できる『未来の記憶』  」






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トロンプルイユの指先(加東セツコ)

買うつもりはなかったのだけどー

まったくもって予定にもはいっていなかったのだけどー

何故か購入してしまった本なんですが

これがけっこういいお味なんでございますって(笑)




著者:加東セツコ
(MARBLE COMICS) (コミック9
東京漫画社

(内容)

あなたに、おれのすべてを選らんで欲しい。

別れた彼女への腹いせに選んでもらったスーツやネクタイを捨ててしまった
三田は、買い直しに行った紳士服売り場で対応してくれた店員・大谷と出会う。
ネクタイを試着してくれる大谷の綺麗な指と顔に思わず見蕩れてしまった。
大谷に選んでもらったネクタイが好評でセンスの悪い三田は「他にも選んで
ください!」と頼み、そのお礼にと食事に誘うが…。


 イマドキのイケメンなのに、何故か女の子を選ぶセンスもネクタイを選ぶセンスもない三田です・・・

その三田をうまく、誘導していい男に育て上げる途上物語とでもいいましょうか(笑)

大谷のこれからの調教と躾け次第でどんどんいい男に育っていくだろうなと思わせる一冊です

絵は地味目ですが、安定していてとても奇麗です

コレが最初のコミックスと言うことで、これからが楽しみですー


でも、あのー

トロンプルイユの意味わからなくてググッたのは

アタシだけでしょうか(笑)?





トロンプ・ルイユ( Trompe-l'œil 、騙し絵)とは、シュルレアリスムにおいてよく用いられた手法・技法。ただし、シュルレアリスムに限って用いられるものではない。フランス語で「眼を騙す」を意味し、トロンプイユと表記されることもある。今日では解りやすく「トリックアート」と呼ばれる事も多い。











 

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番人(国枝 彩香)




番人 (ビーボーイコミックス) (コミック)
国枝 彩香 (著)


本の内容



洋館に囚われた無垢な弟・霞に献身的に仕える、無口で無愛想な加納。
主人の胤彦は、感情を見せない加納に伽を命じる――この男の激情を感じるために。
そして暴かれる三人の秘密、本心、愛…死者が語る最後の一日とは。

他、著者の才能全てを揃えた傑作集。


この方絵がとても美しいです
そして、なんといったらいいのでしょうか
両極端すぎます(笑)>収録作品

でもそれが国枝 彩香さんの魅力なんだろうと思います


お話は今人生を終えたというか、終わらされた青年の口から語られていきます

僕の名前は斎原胤彦
つい先刻人生を終えたのだが
その顛末を語ろうと思う


母に愛されなかった子供

母に愛されていた青年への恋情

体も心も弱いながらその二人に愛された少年

時代設定も怪しげな雰囲気の中で愛されたかった青年の悲しさが満ち溢れているような気がします

すべてが悲しい優しい美しさで彩られています








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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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