愛憎の過去の傷を捨て去り、安らぎと心の平和を得るためには
神の恩寵を受けて永遠の眠りにつくわけしかなく。
生きることしかできない人間には、
傷を自分で舐めて癒すか、他人にまかせきるか・・・
それとも、なかったことにして忘れたふりをして共犯となってともに
生きていく相方を選んで生活の中に押し流していくかしかないのでしょうか?
過去の傷の痛みが時々フラッシュバックしてくる雅樹ですが
ダイゴローとともに春香を育てていくことにより、癒される思いと
傷をえぐられる痛みを与えられるわけです
それは、大人だからと言って簡単に辛抱できるものでもなく
むしろ、大人だからこそ痛みに身構えてしまうものなんではないでしょうか?
春香はそうした大人たちの思惑の型に入りきることはなく
自由にいい子に育っていき、他人の痛みを思いやることができる大人に育っていきます
そして、雅樹もそういう晴香に心癒され、過去にあったことを静かに受容していき
晴香のために帰りをまつ家であろうという決心をつけるのです
晴香の成長物語であるとともに、
雅樹の心の癒しと安息を得るための物語であったとおもいます。
個人的には、ゲイであるからと妙に達観した感じの、ハゲで髭でマッチョなダイゴローが萌えー(笑)花盛りの庭 2 (2) (HMB S 5-2) (文庫)
坂井 久仁江 (著)
(内容)
橘春佳は、幼いころに母親を亡くし、父の雅樹と、居候の大男・ダイゴローと3人で暮らしていた。ある日、父親が隠していたビデオを見て、両親が本当に愛し合っていたか悩み出した春佳は…濃密な愛と憎しみを分かち合った一家が最後にたどり着くのは…?
オヤジの肩にある
火傷と、7年間閉ざされた部屋・・・
あたしのうちには、
謎が多すぎる[0回]
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