国枝さんの過去の作品と言うことで以前から興味はあったんですが
オクでもけっこうなお値段だったようなので、購入を躊躇しておりました
今回文庫版ででるということで、狂気乱舞w?しながら購入させていただいたのですが
初出は「young you」で1993年ですか・・・
近親相姦と、父子相姦と親子心中とゲイ同居と・・・・
なんというかありとあらゆる淫靡なものが転がっていました(笑)
でも、国枝さんんの原点はここかなという感慨にも浸れました
「いつも夢のなかで
見ていた
あの庭は、
静かで美しく、
そして
禁断
の愛を隠していた。」祖父と父と息子が三代にわたって愛と憎しみを繰り広げていくのです
それがまたどろどろして、ある意味怨念に近いものを感じるんです
じじさまが少女に出会い恋をした瞬間から始まっていくのですが
娘さんの年齢と自分が離れているからとか、
社会的な配慮とか、
そういうものを考えて自分の息子の嫁にと話を進めていくことで不幸が積んでいきます
じじさまは息子の妻となった少女への思いを断ち切れず
少女は夫の優しさを知りながら愛することはできず
息子は少女の愛を得たくてから周りしてしまい
愛と憎しみのタペストリーを折り広げていき、少女の産んだ子供までもが
禁断の愛に捕らわれていくのです
人の心ってそう強いものでもないし、
間違いを起こすことは当たり前なのだけど
人を愛するときはただまっすぐに愛さなければいけないというある小説の一文を思い出しました
まっすぐに思いを貫けなかったことゆえに喜劇のような悲劇でカラ回っていく人の心を誰も責める事はできないのだけど・・・
花盛りの庭 1 (1) (HMB S 5-1) (文庫)
坂井 久仁江 (著)
(内容)
父との息詰まるような生活から逃れるために家出した橘雅樹は、祖父の家に押しかけて暮らすことにした。夢で見たままの広い庭、祖父と用心棒の原田、そして勝ち気で美しい少女が暮らす古い屋敷…ここから、ミステリアスな愛憎劇の幕が開く!
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