玉の輿でいこう! (コバルト文庫) (文庫)
あさぎり 夕 (著)
街子マドカ(イラスト)
(内容)
小さな出版社のギャル雑誌で活躍するモデル、桜野ヒカリ。実は男性モデルとしては身長が足りず、女装で仕事を手に入れたのだ。これまでの不運な人生を逆転させようと“玉の輿計画”を立てて、大手出版社のパーティーに出かけたヒカリが、文字通り「ひっかけた」のは、お目当てのカリスマ編集長ではなく、鹿島東吾という経理部の男で!?あさぎり夕が描く、ボーイズ・シンデレラ・ラブ。
キラキラしい表紙にピンクピンクしておりまして・・・
一瞬これがあさぎりさんの本とは気がつかなかったです。
はるかはるか昔「なかよし」でかわいらしいお話を書いてらしたかたでして
いきなりのBLに転身で驚きましたが、あれから早幾年たちましょうか
いまでも何となく出るたびに買い続けている作家さんです。
今回は 同棲していたモデルの彼女から勧められて女装で仕事をしているモデル桜野ヒカリちゃんの
けなげででもそこか可笑しくも楽しい一冊でした。
綺麗な容姿を生かしてモデルとしてがんばっているのだけど
身長が足りないために男性モデルとしてはいまいちだったヒカリ
女装で女性モデルとしてそこそこ売れてはいるのだけど
仕事をしていた雑誌が廃刊になり
彼女からも、自分の彼を紹介され玉の輿にのることを説明され
住んでいる部屋からもでていってねと言われる始末・・・・・
自分も玉の輿にのりたいと、元彼女のご主人になるカメラマンの紹介で
大手出版社のパーテイーにでてチャンスをつかもうと決心するのです。
男の子が玉の輿・・・
まさにBLファンタジーの王道でしょう!!
そこにはなんでやねんとか、そんあわけあるかという大阪の突っ込みもいれれません(笑)
パーテイーではヒカリがひっかけようとしたお目当てのカリスマ編集者ではなく
酔っぱらった経理部の男で
そのまま流されて一夜をすぎしちゃうんですけど~
目覚めたらなにこかもに細かくてまさに経理部の管理がふさわしい鹿島東吾でした。
流されやすくてあんまり考えていないヒカリと
なにもかも黒白はっきりつけたがる東吾のかみ合っていそうで
まるきっり噛み合っていない会話はテンポもよく楽しかったです。
ほのかに東吾に恋の気持ちを抱いているヒカリでしたが
はっきりと「男とは結婚できない」といわれて泣く泣く諦めようとするシーンは
ほんとうに哀しいです
生まれてすぐに捨てられて孤児院でそだったヒカリにとっては
他人はどんなに仲良くなってもいつかは離れていかなければならない人でしかなく
玉の輿だのなんだの口ではいいながら
ほんとうはずーと自分を愛し大切にしてくれる存在を探していただけなんです。
朴念仁の東吾の気持ちは熟成まで時間がかかりますが
いったん熟成されたら、もうちゃんとヒカリを守っていってくれそうです。
突っ込みどころはたくさんありましたが
キラキラしたピンクの玉の輿を楽しみたい方いかがでしょうかw?
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