アマンテ (リンクスロマンス) (単行本)
華藤 えれな (著)
円陣闇丸(イラスト)
(内容)
もの狂おしいタンゴが流れる冬の夜、人生は大きく変わった―。孤児だったロベルトはマフィアのボス・ビクトルに引きとられたものの、裏社会にはいっさい関わらずに清廉な道を歩んでいた。だがある時、襲撃されて重態に陥ったビクトルの傍にいるため、ファミリーに入ることを誓う。それを知って激昂したビクトルに、愛人として扱うと宣告されたロベルト。かつて一身に注がれていた愛情が消え、冷厳な眼差しで抱かれても、歪な歓びを感じていたが…。
「サウダージ」のスピンオフ作品です。
相変わらず華麗で流麗な挿絵で、ためいきの連続としかいいようがない
円陣さんの挿絵と華藤さんのブエノスアイレスのマフィアたちが物悲しく生きておりました。
前作とちがって、マフィアの匂いとか、事件性は薄くて
孤児としてであったロベルトはマフィアのボスビクトルに引き取られたものの
裏社会には一切かかわることを許されなかったため、まっとうすぎる人生を歩んできました。
一緒に過ごすビクトルとの短い時間に幸福を感じてはいたものの
ビクトルのすべてにか変わることができないことに不安を感じていたロベルト
そんなロベルトの不安に付け込むかのようにビクトルが他のマフィアに襲撃され
大けがをおうことに・・・
ビクトルとともに生きてともに死ぬためにはマフィアになるしかないと決め
自ら裏社会で生きることを決意するロベルトにビクトルは激怒し愛人として扱かわれることに・・・
愛人としてでもいいビクトルのそばにいられるなら
そう思って暗い幸福に喜びを感じてはいたものの
以前のようにビクトルと家族になる幸福はとても遠いところだと知ってしまう
暗い幸福に心歪ませ、
ビクトルがファミリーとして愛している幼馴染レオンを陥れようとしてしまう
それが自分の身を滅ぼすことだとわかっていても・・・
恋する気持ちが満載のブエノスアイレスとタンゴのリズムがいっぱいです。
前作の「サウダージ」が男と男の戦いと事件と愛が絡んで波乱に富んでいたのとは
ちょっと違うのですが
こういう家族の愛と恋が絡んだお話もなかなかよかったです
円陣さんの華麗な挿絵とタンゴとマフィアを楽しみたい方かがでしょうか?
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