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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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未成年 (かわい有美子)

未成年。 (幻冬舎ルチル文庫 か 2-1) (文庫)
 かわい 有美子 (著)
金ひかる(イラスト)
 
(内容)

…どうしよ…、好きなのに…、好きなだけなのに…っ

大阪でも有数の進学校、綾星学院。高等部から外部編入した水瀬智宏は周囲との軋轢に戸惑うが、やがて、伊集院篤彌、浅井亨、東郷馨というかけがえのない友人を得る。 彼らとの時間が、退屈だった智宏の学園生活を鮮やかに染める。しかし季節は移ろい、四人の感情と関係は徐々にそのかたちを変えて…? 初期作品、書き下ろし短編も収録して待望の文庫化!

この本を初めて読んだのは6,7年前

juneからえらく長く離れていて、

BLという世界が築き上げられていることに気が付き始めたころなので

もうむさぼるように読んでいたころなのです。

ということで、さらーと読みはしまして情感のあるいい文章だなぁと思いながらも

とくに読みかえすことのないまま本棚の奥で眠っていると思います。

今回文庫化ということで、書き下ろしがついていることに負けて購入いたしました。

あのころと今のあたし

そう変わりがあるわけではないんですが、

書き下ろしの東郷視点があることによってわかりづらかった彼の気持ちがようやくわかったような

そういう気持ちになりました。

伊集院というあて馬くんの役割も非常におおきかったし・・・

というか、これからも彼次第によって大きく情勢が変わりそうな雰囲気があるので

彼視点でのこれからも読んでみたいような気もちです。



大阪でも有数の進学高校に外部編入した水瀬は、

周囲の進学とか、他人を蹴落としてもという雰囲気になじめなかった。

惑っている彼がもう少しシニカルな少年なら、ああ俺に勝てないことで焦っているんだなと

同級生を馬鹿にしながらでも同調できたんでしょうが

どこか幼いところのある水瀬にはなじめないままだった。

そんなときに声をかけてきた伊集院は水瀬をうまく甘やかしたまま彼が心地よい場所を提供してくれた。

旧華族の流れをくむ伊集院、IQ160の天才児浅井、物静かで大人のような雰囲気をもつ東郷

彼らと知り合いともに時間を過ごすことで

退屈だった時間が鮮やかなきらめきをもったものに変化していく。

その時間を大切にしたいという気持ちも持ちながらも、

だんだんと東郷に魅かれていく自分

そんな大切な時間をすごく丁寧に情感豊かに描かれております。

でてくる登場人物もまた個性的で

こんなやつはおらへんでしょうと言いたいところなんですけど

そういう大人のようにふるまえる彼らのなかにも

繊細でガラスのような壊れやすさが微妙なバランスで同居しており

感受性豊かだったあの頃をちょっと苦い思いで振り返ることができました。


高校生であるという時間軸と

いろいろな背景をもちそれにあがいている少年たちと

これからの可能性を秘めて歩いていく未来があって

楽しく読むことができました。





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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
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剛しいらさんなどなど・・・

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