藍より甘く (幻冬舎ルチル文庫) (文庫)
一穂 ミチ (著)
雪広 うたこ (イラスト)
(内容) 夜景、港町、観覧車。完璧すぎるロケーションで入江暁行は「好き」と告げられた。三年間も友達として側にいた柘植遙から。実家が藍を作っていて、爪の先をいつも青く染めている遙。笑うと寂しげな顔が明るくなる遙。男なんて絶対ありえない、でも居心地いい彼の隣は手放したくない。誰にも言えない困惑を、暁行はブログに綴ることにするが―。

抒情的でいい作品だと思いながら・・・
なぜか今一歩入りきらず。
玄上さんよりぶっちゃけ文章も上手だし、読みにくさもなく・・・・
小道具の使いかたもうまいと思う。
告白されたノンケの攻めが自分の戸惑いとか困惑を誰かに語りたいと思った気持を
一番仲のいい友達は実際に告白してきたやつには言えず
周囲の人に語ってその告白してきた友人を傷つけるような気がして語れない
でもだれかに聞いてもらいたい気持ちをブログで発表しちゃうとこも
今の若者らしいとおもう。
遥があれだけ抑えてきた積年の想いをふとした拍子で語ってしまうというか
告白してしまう。
彼女がいて、
男同士の恋なんて絶対に受け入れてくれないだろうと知ってはいたのだけど・・・
告白した時点で友情という関係が終わってしまうことを期待していたのか
告白しても友情という関係性は変わらないと踏んでいたのか
もしかしたら奇跡がおこって恋がかなうことを期待したのか
そこらに対する気持ちの起点はよくわからない。
告白に対してリアクションは期待していなかった遥だけど
告白された暁行のなかでたしかになにかが伝わっていたようで
いつもと同じように時間を過ごし
心地よい友情という枠の中でいたようで
それでも気持ちだけはなにかが変わっていく
という微妙でセンシテイブな感情の変化をほんとうにうまく書いているなぁと思います。
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