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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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ザイオンの小枝 (稲荷家 房之介 )

ザイオンの小枝 (スーパービーボーイコミックス) (コミック)
 稲荷家 房之介 (著)

 
(内容)

終戦後のドイツ。
廃屋に監禁され生き永らえる伯爵少将。
彼を閉じ込めて屈辱を与えながら世話をするユダヤ人の青年医師。誰にも理解できない彼らの関係とは…!? 珠玉の表題作他、2人が超絶可愛い耳キャラで動きまくるショートギャク「肉球編」も収録した贅沢な一冊!!すれ違う2人のその後が描き下ろしで登場!
初めてこのお話を読んだのはB-BOY LUVだったので
 
前後の説明が薄く、この二人の関係性がよくわからなかったのですけど

今回単行本化されたので読んでいなかった肉級編とか
 
ふたりの出会いの部分がのせられていたので ようやく得心がいきました。


幼い時に両親を一度に失い孤児になった子供を引き取り
 
たいせつに大切に育ててきたドイツ人の伯爵少将

小さかったあの頃冷ましたスープを無理やり口に入れられ 生きることを強いられた。
 
放てば殺される運命をになったそのユダヤ人の幼い子供を
 
保護し、学ばせ、医師として生きる力を与えたものの
 
それはやがて同胞を苦しめることを強いてくる。


運命がもうすこし優しいものならば

この二人の関係はここまで捻じれることはなかったのだろうけど・・・・

やがてドイツ帝国が崩壊し

いままさに寄る辺なき存在となってしまった伯爵少将
 
死を選ぼうとした彼に与えられたものは

大人になった彼に守られ囲われ娼婦のように足を開かされる生活


シリアスに囲われた生活を堪能しても良し

肉級編でわかりやすく書かれた二人の関係性を深読みしても良し

耳の付いた可愛らしさを堪能しても良しの

大変美味しいコミックスでございました(笑)


やがて、伯爵少将の真実の気持ちに気がついたユダヤ人青年医師エリヤは

薬で鎮静させたうえで伯爵をオデッサ(本SS隊員の組織)に保護してもらうように

連絡をするのです。

迎えにきた人々

別れの言葉

薬で発語すらままならない伯爵はただ彼の手を握りしめるのです。

冷静に状況を判断し、

もう二度と会わない決心をした青年の悲しみを支えたものは・・・

いままでの思い出と愛だけであったと思います。



最後のお話は

カイロで安全に安楽に生活をしていた伯爵将校ですが

あの青年が彼を守るためにユダヤ人スパイとなって活動しているということを知り

彼を捕まえるために出かけようとするのです。

はさまっていたいたペーパーには、

本作品はこれからアラブものになりますと書かれておりました

アラブの首長にとらわれてまた囲われる生活でしょうか(笑)?!


期待してよろしいでしょうか(笑)


お互いがお互いのために存在している、そういう作品を読むたびに嬉しい感動に包まれます

これからもこういう作品を読んでいけたら嬉しいと思うのです・・・


ということでペーパーの一部を載せておきますので

ご興味のある方はどうぞーー♪

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カンゴク69 (阿仁谷 ユイジ )

カンゴク69 (ジュネットコミックス ピアスシリーズ) (コミック)
 阿仁谷 ユイジ (著)
 
(内容)

ここは予備校全寮制、自由ナシ権利ナシ、でも恋は止まンNIGHT!! 「カンゴク69」と「ナイチンゲールは夜に啼く」スーパーエロスな2シリーズ収録
☆驚異の両A面コミックス!!
☆表題の「カンゴク69」シリーズは…☆ 地元で一番スパルタな全寮制の予備校で出会った浪くんと市路くん。プライバシー皆無の中、こっそり育むラブ&H!! 指だけじゃ半分だけじゃ済まない、童貞力MAXシリーズ!
 
☆ウラ表題の「ナイチンゲールは夜に啼く」は…☆ 愛仁くんは♂専出張ホスト。いろんなお客にHな奉仕をするのがお仕事。誰にでも一生懸命な彼が、ある瞬間、運命のヒトと出会ってしまう…! BL革命児が贈る、とびきりPOPなラブ&H!! どちらも超傑作、描きおろし「ダツゴク69」も要注目!!


 


うーん なんというか微妙な味わいとでもいいましょうか・・・

「ミスターコンビニエンス」のような軽妙ででも人生の深淵をのぞき見させてくれるような

あの感覚が味わえません。

大好きな作家さんなので期待が大きすぎるというのもいけないのかもです。

なにもしらないまま読んでいたなら間違いなく面白い本ですと言えるんですけどね(笑)

ジュネットという出版社の意向もあるとおもいますが

中身はエロ重点です。

表題作は大学に合格するまでは外に出ることもまあmならない青春を送る男の子たちの

恋のお話です

トイレの天井裏をエロの書庫としてしているので、

みなさん深夜に書庫から自分の萌えの補給をしていたのですが

ある日そこで見かけたのは・・・・月刊さぶカルチャー

友人である市路くんの持ち物だったようです

浪はもともと市路くんのことがなにかと気にかかっていたようですし

その市路くんからフェラしてあげようかといわれて断れるわけもなく・・・

愛と欲望に満ちた二人の寮生活はなかなか楽しそうです(笑)


勉強に愛に欲望にいろいろがんばったふたりは春を迎え

市路くんは大学に合格し、浪は不合格でした・・・

どちらかが不合格だったなら別れようそう決めていた浪でした。

別れの覚悟をきめるために、その言葉を吐き出すために体をつなげるふたり

そのせつなさはやっぱり阿仁谷さんのうまさを感じます。


受験生だったよね・・・・

という気持ちをもう一度味わいたい方いかがでしょうか?(笑)



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リベットThe departure (天野 瑰)

リベット (プラザCOMIX Hollyシリーズ) (プラザコミックス)
 天野 瑰 (著)
 

(内容)

お前のそばがいちばん安心する。
俺はもう逃げないって決めたんだ。

「嫌だったらキスもセックスもしなくていい。お願いだから俺と付き合ってください」乾武則に告白された初芝公平は、自分の感情に自身が持てずにいた。乾が好きなのか、一人で生きるのが辛いのか、寂しいだけなのか、それとも過去の体験が怖いだけなのか。乾と一緒だと、切ないぐらい幸せになれる。けれど初芝はゲイではなかった。乾の優しさに甘え、曖昧な態度を取り続けていた初芝は、偶然、別の男と抱き合う乾の姿を見てしまう。ショックを受ける初芝は…。小説「リベット」を原案に、その後の二人がハッピーエンドになるまでの物語を、天野魂が独自の視点から描いた、オリジナル・ハートフルラブストーリーvラブな描き下ろしも収録!



 
木原さんの小説「リベット」を原案として、その後のお話です 。

木原さんの本というよりは天野さんの思う木原さんという感じがいたしました。

乾に想われて。一途に愛されて居心地の良い関係をつくるにいたっておりましたが

いざ、恋人らしい関係をとおもっても過去の恐ろしい体験が痛みとなって受け入れれない・・・

乾の幸福を思うならば

自分のような男ではなく、平凡に恋愛していける可愛い子がいいのではないかという危惧もある。

そう思っていたある日

乾のもとに教育実習生としてかなり個性的な男がやってきて

乾に気持ちを突き付けながら

初芝のあいまいなまま置いておいた気持ちに整理をつけろとばかりに行動で示してきた。

嫌なやつというのは木原作品には往々にして存在していましたが

脇役でいやなやつというのも、ちょっと木原テイストとはちがう感じかなという感じです。


その後も初芝が入院に至る事件があったり

乾の車の事故があったりなんかめまぐるしく展開があって

初めて初芝の気持ちが乾に追いついてきて

ふたりで幸福になる道を選んでいきます。

あのとき、小説には描かれていなかったその後の未来を堪能できてよかったです。

さらにマンガの方では数年後のふたりも書かれておりました。

自分の気持ちがわからなくって・・

というか認めたくなくってぐるぐる悩んでいただけの初芝が

ただ静かに見守っていてくれた乾にどれだけ支えられて手放すことができない存在になっていたことを

自分自身にも認めるとすっかり気持ちも生き方も楽になっていたようです。

そして、そういう日常があたりまえになっていくことで

実は乾のいつかは別れを切り出されるんじゃないか、

これは夢なんだろうかという不安を持っていたことに気がつくのです。

恋をしたらみんなどこか不安でタイトなロープの上を歩くように

どこか不安定な生き物になるのだと思います。



木原さんの小説のその後という読み方ではなく、

天野さんの思う木原さんのその後漫画だと思ったら逆に楽しんで読めました。


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DROPS(阿仁谷 ユイジ)

DROPS(f×COMICS) (Fx COMICS) (コミック)
 阿仁谷 ユイジ (著)



(内容)

人生は薔薇色じゃない!?

沫野(まつの)さん家の5姉弟が繰り広げる、のっぴきならない家庭事情と恋愛事情。
 
新星・阿仁谷ユイジが描くキュート&エロティックオムニバス!

優等生の長女は、“お父さん”と純愛真っ最中。
ロックンロール名次女は、子どもを抱えてラブ&ピース真っ最中。
マイワールド全開の双子(三女・四女)は、同じ人を好きになって戸惑い真っ最中。
そんな姉たちに振り回される末っ子長男は、ちょっぴりヒネクレ街道真っ最中。
 
僕らは今日も仲良し。
それなりに幸せです。
阿仁谷さんの作品は「ミスターコンビニエンス」以来ファンなので
 
これも作者さまのHPで紹介されていたので もう間違いなくBLだと信じて買いました。

でもー

いい意味で予想は裏切られて・・・(笑)

帯に書かれていたとおりキュート&エロティックオムニバスな漫画でした。



「はつこいの味」

両親を失って個性的な姉4人に囲まれた沫野雫はただいま15歳の高校生

好きな子もいます。

友人にも恵まれております。

太っているコンプレックスを抱えながらも青春を楽しんでいる様子が生き生きと描かれておりました。

残念なことに好きだった女の子は親友とくっついちゃって

自分のことが好きだった女の子を傷つけちゃいます。

人を傷つけたことで自分も傷ついちゃいながら

青い鳥は案外身近にいたようです。


青い時代だったよねとおばちゃんはため息をつきたくなります(笑)


「しゃぼん味」


双子の姉は分かち合うことを大切と言い聞かせられて育ったのです。

しゃぼんの液もきれいに半分こしようとしてすべてを流しちゃって悲しむふたりに

今は亡きおかあさんがいうセリフが素敵なんです。

泣きべそをかく楓と椛に頭をなでながら

「大事なのはきっちり分けあうこと以上に

一緒になってそれを大事にあつかう事なのよ」

言いきかすのです。

おかあさんに言葉どうりに、ふたりはふたりをちゃんと区別できて

それでいてふたりを同じように抱きしめようと努力してくれる

度量の大きな男の子を見つけて猛アタックしては砕けちゃうんですけど

最後はちゃんとつかまえていました(笑)

3Pの部分は朝チュンなんですけど~

十分にエロティックな雰囲気は堪能できました(笑)



他にも放浪癖のあるロックンロールな次女は外国の王子様と恋をして妊娠して

でも第三夫人になれなくて・・・・

子供を育てながらがんばって仕事と恋に励んでいる次女と

幼い妹弟たちを養うために人生のほとんどのエネルギーを使っちゃった長女の初恋とか

いろいろあって読み応え十分にありました。


BLではないけどおすすめです~



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15歳 (石田育絵)

15歳 (バーズコミックス ルチルコレクション) (コミック)
 石田 育絵 (著)
 


 (内容)
 

こんな日々がずっと続くと思っていた

夏実は子供のころから、
5つ上の兄と兄の親友・圭吾の3人で過ごす時間が大好きだった。
だが13歳の夏休み、兄と圭吾の間に
今までとは違う空気が流れだしたことに気づいてしまう。
それから2年後、変わっていく自分たちの関係に耐えられない夏実は
幼い感情を圭吾にぶつけてしまい・・・・・・・!?

表題作シリーズのほか
作家×ホストの年の差シリーズ
78ページの書き下ろしもくわえた
読み応えたっぷりな作品集

 

最近 めっきり絵柄が変わっていきつつある石田先生です。

これも買うかどうか悩んでいたんですが、あらすじの学生ものという雰囲気と

表紙の絵は好みだったので買ってきました。

でも、まるっきり学生らしさとか、そういうものは影も形もありません(笑)



「15歳」

幼い時から夏実にとって5つ上の兄とその友達の圭吾と過ごす時間は心地よいものだった。

そんな日々がこれからも続くであろうと信じて疑いもしなかった幼かった時

けれど

13の夏に兄とその友達がいつものように過ごしながらも、その触れている肩の熱量とか

見つめ合う視線になぜか不安感を感じていた。

なにかが変わるかもしれないと・・・・

それから二年後

兄と圭吾の関係は少しも変わらないことを選んでいた。

兄はバイト先で彼女をつくり、なに食わぬ顔で圭吾と接する。

そこにどういう心境の変化があったのか、どういうエピソードもなかったのか

作品には説明らしき説明もなく

読み手も夏美のように圭吾に魅かれながらもとうとう恋人になることを選ばなかった兄に

苛立ちを感じます。

そしてその苛立ちをとうとう圭吾にぶつけてしまう夏実でした。


はっきりと言葉にしないで友人のままでいることを選んだ夏実の兄

そして人にはそれぞれ愛し方があると悟ったような顔をする圭吾

優しさと残酷さで人は青春を後悔で彩っていく

そんな読後感でした。



この話には続きがあって、専門学校に入学した夏美はそこで知り合った教師と泥沼の不倫を終え

自分の青春の後悔にひとくぎりつけるために

カミングアウトをしていまは行方知れずになっている圭吾を探し出し会いにいきます。

圭吾はいまでも夏実兄を愛していると言いながら、

それでもそばにいる優しい人を抱きしめている。

ゆっくりゆっくりはぐくんでいく愛でいいとふたりは時間を共有し

年齢をつみ重ねていくのだと思います。


いまどきのBLにあるような、一目で恋に落ちて愛をなんの障害もなく育てていく話ではなく

曖昧な幸福感でお話は終わっております。




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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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