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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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おやすみなさい、また明日  ( 凪良 ゆう )

おやすみなさい、また明日 (キャラ文庫) [文庫]
凪良 ゆう (著) 小山田あみ(イラスト)

おやすみなさい、また明日 (キャラ文庫)



(内容)

「俺はもう誰とも恋愛はしない」。
仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。
十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎は、
つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。
なのにどうして…?戸惑うつぐみだが、
そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!?

今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない
記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!




事故により高次機能障害を発症してしまった青年と

作家の恋のお話でした。

脳損傷に起因する認知障害に対しての世間的なアピールは

まだまだ少ないのでこういった疾患に対する理解は少ないかもしれないけれど

この本が起因となって知るてがかりになれたらいいなと思います。


お話としてはほんとうに在り来りな内容なのです。

けれど凪良さんの綿密な文章に心惹かれて最後まで読み通してしまう

そんな一冊でした。


十年来の恋人に子供がほしいからと別れを告げられた売れない作家さんであるつぐみ

その本のファンであるという何でも屋さんである朔太郎と偶然知り合い

下宿先を紹介してくれて

あれやこれやと世話をしてもらう。

おだやかな日常を重ねていくにつれだんだんと知り合っていき

心を重ねていくエピソードを重ねていくうちに

心が朔太郎に惹かれていることに気がつくのです。

ですが、朔太郎はある理由により恋はしないとかたくなに思いつめていて・・・

実は朔太郎は大きな会社に勤めていてバリバリと仕事をこなしていき

順調に社会生活を歩んでいたのですが

横断歩道をわたっていた時にバイクにぶつかられ

頭の怪我をしてしまうのです。

怪我は幸いにも軽く、彼の隠された脳の損傷に気がつかないまま

またもとの日常に戻ろうとがんばるのですが

なぜかそうした彼をあざ笑うかのような出来事が次々を起こってしまい・・・

忘れていく自分に気がついて、その会社をやめてしまうのですが

そのような自分の境遇に似たつぐみの本を読んで救われるのです。

心と心が重なっていく瞬間瞬間がすごく綿密に書かれていて

さりげない日常を積み重ねて人は心を惹かれていくのだなということを

実感できました。

恋はしたくないという朔太郎の思いを尊重して

離れて生活することを選んだつぐみ

別々に生きてはいても心はいつも朔太郎とともにあって

毎日毎日朔太郎についての短いお話を書き上げていくのです・・・

そして一緒に最後まで生きることを選んだ二人

あいかわらず記憶は流れていくものもありますが

心のどこかに流されていないものもたしかにあって

つぐみと優しい時間をすごした朔太郎の想いが書かれておりました。

こんなふうに最後の時間までも優しい思い出に散らばられているからこそ

つかの間の別れに耐えれるのかもしれないし

ひとりという悲しみすら楽しめるのかもしれないと思える一冊でした。


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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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