シンプルライン (幻冬舎ルチル文庫) (文庫)
杉原 理生 (著)
亀井高秀(イラスト)
(内容)
連れ子同士で、一時期血の繋がらない兄弟だった圭一と孝之。10年後、大人になって再会した二人は、改めて兄弟のような、友人のような、不思議な関係を築き始める。弟だった孝之への恋心を自覚していながら隠す圭一と、兄だった圭一へ想いをストレートにぶつける孝之。しかし、圭一にはどうしても孝之を受け入れることができない理由があって―。
連れ子同士・・・・
つい昨日読んだ「子連れオオカミ」が頭をよぎりましたが
内容はまたちょっと違うんですよー(当たり前
一時期血のつながらない兄弟として仲良く暮らしていた圭一と孝之
家名の違いとかで、いったんは引き離された恋人同士が
また結婚したのはいいものの、
心無い親戚の仕打ちというか攻撃に耐えきれずに
引き離されていくことでこの恋は始まっていきます。
家族として暮らしていたころからほのかに思いは募っていたようなのですが
家族でもなくなるという晩に想いをつのらせて圭一は孝之と触れ合うのです。
これが最初で最後の触れあいになるとも気がつかずに孝之は懸命に思いを伝えるのですが・・・
それから月は流れて・・・
母とともに家をでた圭一は母とも死に別れて一人で刹那的に生きていました。
以前付き合っていた恋人が離婚すると聞かされた時に
思いがけずに孝之と再会し・・・
また恋心を募らせていくのですが二人の間にはというか
圭一にはどうしても孝之を受け入れられない理由が存在してて・・・
というのも、母は孝之の父といったん別れさせられてから圭一を身ごもり
一人で生きてきてまた、孝之の父と結婚に至るのですが
もしかしたら二人は異母兄弟かもととの疑念がなかなか消え去らなかったのです。
普段腐りきっているあたしが読んだなら、
男同士だもん、子供ができるわけじゃないんだから、そんなことで悩まなくってもいいじゃんねー
とさらっと流しちゃうんでしょうが
たぶん・・普通の感覚で読んだ方なら
男同士だし兄弟なんてとんでもないんでしょうねぇ
になるんだろうなぁとわが身を振り返り、反省しつつ
杉原さんの独特の叙情的な文章に身を浸っておりました。
書き下ろしの「昨日・今日・明日」では失いたくないかけがえのない存在としてともに努力するふたりに甘甘さが楽しめます。
[0回]
PR