悲しみの涙はいらない (DARIA BUNKO) (文庫)
水原 とほる (著)
ヤマシタトモコ(イラスト)
(内容)
母親に捨てられ、義父の借金のカタとして金融業を営む国枝に引き渡された遙。その美しく儚げな容貌で借金返済のために売春を強要されてきた。男達からの陵辱に耐えるため、固く心を閉ざしていたはずなのに、気まぐれに自分を抱いた国枝の言葉に何故か傷ついてしまう。端整な顔立ちだが冷たい目をした国枝の冷酷さに怯えながらも、垣間見える彼の孤独と優しさに遙の心は揺れ動き…。
遥は、幼い時から奔放な母に振り回されて、何回か苗字がかわり
挙句の果てに、義父のもとに捨てられ虐待と性的暴行に脅え
今日こそは逃げようと決心した日に借金のかたにやくざに売り飛ばされちゃうんですよね
義父の借金をかえすために売春を強要され、汚されていく自分に涙流すこともできない子供が本当にかわいそうでした
国枝の思いつきで彼に引き取られ、高校に行き、大学受験を指示され
思いがけなく得た普通の幸福を楽しみますが
友人ができたということを国枝に知られたとたんはかなくも消える幸福でしたが・・・
やがてそれさえも甘受して人生をあきらめて生きていく遥でしたが
体を使われるだけの冷え冷えとした関係だと思っていた国枝の優しさを知るにつれ
国枝に惹かれていきます
暴力も虐待もいつもの 水原マジックに比べたら薄いような気はしますが
ほんのりとしたやさしい涙に包まれたお話でした
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