トリアージ―金の瞳の異邦人 (ダリア文庫) (文庫)
春原 いずみ (著)
高群 保 (イラスト)
(内容) 悪友の外科医・黒木に誘われ、救命救急治療ではトップクラスと名高い北斗総合病院に招かれた、精神科医兼心理カウンセラーの嶌幸倫は、欧米人のような容貌の繊細な美貌を持つ青年・齋川修里と出会う。驚異的な救命率を維持する凄腕の救命救急医である修里の『阿修羅王』と呼ばれるほどの激しさとは裏腹に、現場を離れたとたん怯えた子猫のようになる姿を知った嶌は―。
医療ものというか、心理カウンセラーもの第二弾とでもいいましょうか
春原さんの作品自体あまりよんだことはないのですが、
医療ものが結構好きなのと、
高群さんの挿絵とあとがき4コママンガがあんまりおもしろかったので買ってみました(笑)
務めていた病院がいきなりつぶれて首になった精神科医兼心理カウンセラーの嶌幸倫は
友人の誘いにより北斗総合病院に勤めることになった。
勤務一日目出勤途中で倒れている人をみつけて救命処置をしようとしているときに出会ったのは
金色の髪が印象的な美貌の青年だった。
的確な心肺蘇生を行いながら、救急車に乗り込み北斗総合病院の救急センターで見たものは
戦場にも似た慌ただしさのなかで命を助けようとする阿修羅王にも似た青年だった。
仕事熱心で、命を助けることに生きがいを燃やすその医師・齋川修里に惹かれるものを感じながら、
なぜかあやうさを感じる嶌幸倫だった。
齋川修里は仕事に淫することで生きている実感を味わえるワーカーホリックでもあり、
荒ぶる阿修羅でもあり、
魅惑的な瞳で誘惑しようとする悪魔でもあり、
また人に触れることすらしらないような幼き純真な天使でもあった。
解離性人格障害と診断しながらも齋川修里に魅かれていく嶌だった。
作者さまは医療技術者ということであるとのことでしたので
医療現場でのシーンは実にリアルに書かれてあったような気がします。
残念なことはこのような孤独な医師・齋川修里がなぜそのような孤独な魂を持って生まれてきて
生きてきたか その説明というか、
お話の中核が今一歩さらりと流れ過ぎていてリアル感がなかったような気がするのです。
主人公の孤独とか、焦燥感がもうちょっと書き込まれていたのなら
この二人が何故ここまで魅かれあってしまったのか・
どうしようもないほど離れられなくなった経過とかが今一歩共感できなかったです。
設定が好みであったのでちょっと残念・・・
次作に期待ということで~
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