恋―La saison d’amour (ガッシュ文庫) (文庫)
洸 (著)
梨とりこ(イラスト)
(内容)
彼は優美な魚のように、テーブルと椅子の間を泳いでいく――。偶然訪れたレストランで和泉は「恋」に堕ちた。2年前から上司と望まない不倫関係を結ぶ、和泉は平凡なサラリーマン。恋が実ったこともない、もう幸せな夢なんて見ない…そう思っていたが、年下のウエイター・若月の姿にひとめ惚れをした。少しずつ、彼のことを知り、彼の情熱を知り、若月に心を奪われて、ついに告白した和泉。一度でいいから抱いて欲しい――意外にも願いが受け入れられ、和泉はおずおずと、初めて好きになった人と結ばれるが…。恋に臆病なサラリーマンの初恋。
春にであった恋人同士が、夏・秋・冬を通して恋を深めていくお話です。
仕事もでき、また小奇麗な顔だちをしているサラリーマンである和泉は
ゲイであるせいか、どこか卑屈というか自分に対して自信がない
恋が実った経験もなく、愛した人に抱かれた記憶もないままに
上司と望まないまま不倫関係を結んでいる。
女のかわりに性欲のはけ口となっていると知っていてもなぜか別れられないままだ。
ある日偶然訪れたレストランで和泉は彼と出会う
彼は優美な魚のようにテーブルと椅子の間を泳いで行く
その姿に穏やかな笑顔に優しい態度に魅かれていく・・・・・
彼に会いたさにひとりでそのレストランに通い詰めるまでになっていく和泉だった。
ある日職場で見当違いの部下に腹を据えかねた和泉は
「自分はゲイだから」とみなのまえで告白してしまい、そのことに慌てた上司との関係にも終わりを告げ
なにかふっきれたように彼 若月にあい「抱いてくれませんか」と頭を下げた。
穏やかに和泉の告白を聞いてくれた若月は部屋に招き入れてもらえる。
精一杯の気持ちをこめて彼を愛撫し、彼に抱かれる幸福を知る和泉でしたが
目覚めた時にひとりの自分に気が付き
若月にこれ以上迷惑かけないようにとそっと部屋を後にするのでした。
人との関係に臆病でどこか自分は愛されることはないと信じ切っている和泉のせつなさが
心の琴線に触れる物語でした。
若月に愛されるようになってきても、どこかいつかはこの関係は終わる
若月にとって迷惑になるなら
若月にとって自分が必要とされていないなら
いつでも自分はそっと消える・・・・・
どこまでもネガテイブな考え方がせつないような・・・
くどいような(笑)
なぜかと申しますとー
若月はきちんと和泉に愛情のある気持ちを伝えていますし
必要なんだという言葉も態度もかかさない優しい攻めさまなんです。
いつもの告白も言葉も足りない傲慢な攻め様なんかではちっともないんで
なんでここまで悩むんだろうか・・・
まぁこれも愛ゆえに臆病になってしまったということなのかもしれませんね。
四季を通じて恋を深めていくふたりを読みたい方いかがですか?
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