檻-おり- (キャラ文庫 う 1-3) (文庫)
烏城 あきら (著), 今 市子 (イラスト)
商品の詳細
文庫: 221ページ
出版社: 徳間書店 (2007/11/27)
言語 日本語
ISBN-10: 4199004610
ISBN-13: 978-4199004612
発売日: 2007/11/27
<あらすじ>
封印されたあの庭には、決して入ってはいけない―。幼い頃から憧れていた、優しい従兄の宗司と同居することになった稔。けれど、日毎に募る仄暗い想いを持て余した稔は、ある夜禁断の庭へ足を踏み入れてしまう。ところが、庭の茶屋で自慰に耽る稔を目撃した宗司は、様子が一変!!「なぜここにいる」と猛々しく稔を抱いてきた!!宗司の激情に、稔は歓喜と恍惚の中で陵辱されるが。
巷で評判の「許可書を」シリーズの作家さんだそうです
そうですと言うのは・・・実は読んでいないため(笑)
初読み作家さんです
静謐な文章に今市子さんの繊細な絵柄がマッチングしております
父親を亡くし、塑像という世界をもすて、母の介護をしながら生活しております 稔
自身の性癖に恐ろしい罪の意識を抱え、それをさらされることに
怯えの心を持ちながら、塑像の世界のみにその欲望を吐き出していたが
講師にそのことを見破られ、肉体関係を結ぶ
それを清算するために母の介護と言う名の下に塑像の世界を捨ててしまい
何気なく日常を過ごしていた彼の元にある日静かに波紋が投げられる・・
母の義理の姉が訪れて、病身の母を気遣い、また自身の仕事の手伝いも欲しいため稔共々実家に帰ってこないかと提案される
そして稔は運命の恋の相手 宗司と出会い、家と言う因縁を抱えて
巻き込まれ愛憎の世界で自分と宗司の世界を確かめ合い深めていく・・
壊れた人々の悲しい寄り添いを愛と呼ぶことの究極は閉ざされた世界でしかありませんが、逆に不思議な暖かさに満ち溢れています
お互いが罪の意識を持ちながら
お互いのために許し会うことが彼らの安息なら
開かれた光に満ちたものだけが幸福では無いとそう思わしてくれる一冊です
稔が宗司の欲望を眼で確かめたいと懇願したとき・・
宗司は赤い紐で括られた稔の手の中に自分自身を確かめさせる
見せて欲しいのにと懇願しながら手の中の感触に喜びを感じる稔
「封印された禁忌の茶室は情欲に溺れた、二匹の獣を放つ檻」
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