甘えない猫 (SHYノベルス315) [新書]
成瀬 かの (著), 高星 麻子 (イラスト)
甘えない猫 (SHYノベルス315)(内容)
俺は本当にこいつを食っちまっていいのか?
洋館の一階を改装してつくられたカフェ『小さな薔薇』。
こじんまりとした店だが長田和朗の愛する城だ。
洋館の二階で和朗はこの家の主でありカフェのオーナーでもある叔父の玄二と暮らしている。
だがある日突然、玄二が新しい住人を連れてきた。
夏原葵 和朗が卒業した大学で有名な孤高の麗人だ。
戸惑う和朗に玄二は釘を刺す。
葵には手を出すな、と。
翌朝、いつものように玄二を起こしにいった和朗はそこで玄二と同じベッドに裸で眠る葵を見てしまい!?
あらすじを知っているのに
最初のページで叔父の玄二の世話を甲斐甲斐しく焼いているシーンを読んで
脳内で年下の甥っ子攻めかーと
思ってしまった腐った脳みそを実感しました(笑)
母に愛されて育った夏原葵
自分のわがままが原因で母がドライブに誘ってくれたのですが
不運な事故が原因で母の死を突きつけられます。
そのことが原因で愛されることに拒否感をもったまま生きているのですが
不器用で幼子のような純真さをもっているがゆえに
生きづらさを感じております。
長田和朗はゲイであるという性癖が家族にバレてしまい
愛されて生きてきたものの家族との生活や時間に不協和音を感じ
叔父とともに暮らし、叔父のカフェを営んでおります。
世話好きで愛情過多な和朗ですので
葵の不器用さや純真さに惹かれないでいられるわけはありません。
いろいろな事件や過去がありますが
ふたりでともに過ごし、時間や恋を重ねていくことでこれからもだいじょうぶ・・
と感じられる優しいお話でした。
これもレーベルの違い?でしょうか
成瀬さんはあたしが過去に読んだのは
ちょっとファンタジーで軽妙なお話が多かったような気もするのですが
こういう現実にち地についているようなお話もすごく素敵に書かれておりました。
[2回]
PR