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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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あいのはなし ( 凪良 ゆう )

あいのはなし (ショコラ文庫) [文庫]

凪良 ゆう (著), 小椋 ムク (イラスト) 

あいのはなし (ショコラ文庫)




(内容)

愛する男を失くした岸本波瑠は、彼の9歳の息子・桐島椢とあてのない旅に出た。
奇妙なことに、椢は自分の中に父親がいると言い、
そして時おり本物の彼のように振る舞った。
不思議で幸せな三人での生活。
だが、幼い椢と他人の波瑠が長く一緒にいられるはずもなく、逃避行は悲劇的な結末を迎えた。
――それから10年、あの日姿を消した波瑠を、椢はずっと捜し続け…。
時をかけ、三人の想いが絡み合う不思議な愛の物語。




初恋の人裕也とであったのは波瑠が9歳の時

売れない役者であったというか、才能があっても舞台人であろうとしていた裕也

はじめて自分自身を見てくれて、受け入れてくれて

楽しい思いをくれた人。


それは幼い時から心が弱く仕事をやめてしまい

家に引きこもってしまった優しい父親をもっていた波瑠

父親の優しさを知っていながら

父に似てきたと母親に言われるたびに不安になる波瑠

母親とさえうまく関わることができずに閉じきっていた自分の孤独を

初めて癒やし、安寧さを与えてくれた人。


裕也に恋をしていると気がついたのですが

亡くなった弟への思いを重ねて自分を見ている裕也に恋心を伝えることはできませんでした。

けれど二人の気持ちはたしかに重なっていて

裕也と裕也の息子である椢との三人の時間は幸福なものだった。


けれど


裕也はある日海でなくなり

その葬儀の日に何もかも捨て去ってしまいたいような虚無感でいっぱいだった波瑠を

救ってくれたのは裕也の息子の椢だったのです。

自分の中に父親の裕也がいるからと訴え

ほんとうに裕也であるかのような振る舞いをみせるのです。

奇妙な三人?の逃避行はなんだか

モノクロのフランス映画のような悲しみと幸福に彩られておりましたが

その幸福は長くは続かず

誘拐された子どもと

その父親を愛していた誘拐犯として終わりを告げたのです。


そして不思議な絆で結び付けられていたふたりの再会と

恋はゆっくりと回転していきます・・・

波瑠の心の再生と癒やし物語であったと思います。







波瑠の孤独を癒やしきる強さを椢がもっていてよかったと呟かせてください。

悲しみはいつかは癒やされる

そう信じて生きていきたいと願う方におすすめしたいです。

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「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


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